入力したコード進行が自動的に再生されるコードトラック機能をはじめ、和音のボイシングをボタンひとつで変えたりと楽曲制作に関するユニークな機能が追加されたCUBASEシリーズ。充実した作曲機能や洗練されたグラフィカルな操作画面は、あなたの制作に更なるスピードとクリエイティビティを与えます!
Zedd:世界を熱狂させるEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)シーンの若きプリンスとして現在注目を集めるDJ/プロデューサー。Lady GagaやSkrillexなどのリミックスも手がける。
中田ヤスタカ:Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ、Capsule、MEG、Clazziquai Project などを手がけるプロデューサー。
中西亮輔:SMAP、NEWS、柴咲コウなどの J-POP 系楽曲のアレンジをはじめ、アニメソングやPC ゲームのサウンドトラック、TV 番組のテーマソングまでを幅広く手掛ける作曲家/アレンジャー。
打ち込みベースで楽曲制作を行うクリエイター
デモ音源をサクサク作りたいバンドマン
MAを行う必要があるエンジニア
最新アップデート情報はこちら!
http://miyaji-parec.jugem.jp/?eid=2302
CUBASEの魅力の一つは内蔵されている音源やサンプル、そしてプリセットの多さです。定価30万を超えるYAMAHAの定番ハードシンセ「MOTIF」シリーズから抜粋されたサウンドで構築された「HALion Sonic SE」をはじめ、最上位版のCUBASE PRO 9には8つのバーチャルインストゥルメント音源、3000を超えるプリセットが付属しています。ピアノやバイオリン、シンセ、ドラムなどあらゆるサウンドが網羅されているので、すぐに制作に取り掛かる事が可能です。
オーディオだけでなくMIDIにもインサートエフェクトの概念があるのがCUBASEのユニークな部分です。ステップシーケンサーのエフェクトにプリセットを読み込ませれば、全くMIDIを打ち込むことなく曲の骨子を作ることも可能になります。
CUBASEでは「コードトラック」を用いて楽曲全体のコード進行を管理することができます。「コードネームを指定すると、自動的に和音のMIDIを生成してくれる機能」と言い換えることが出来るかと思います。例えば、コードトラックを作成して3小節目にCmを指定するとします。その後コードトラック上で音を鳴らす音源(純正のHALionなど)を指定すると、その指定した音源の音でCmが再生されるわけです。
また、コードトラックではピアノやギターなどのボイシングを設定で変更することができます。転回系なども指定することができるので、曲の雰囲気にあわせてコードのボイシングをワンボタンで操作可能です。ちなみにこれらのコードはドラッグ&ドロップでMIDIデータとして貼付けることも出来ます。
コード進行に悩んだ時、CUBASE側が「このコード進行はどう?」と提案をしてくれる機能もあります。サジェストと呼ばれるこの機能は、例えば「C」→「F」→「?」→「C」というコードの、「?」部分を自動的に埋めてくれる機能です。提案されるコードは色分けされており、緑色が無難なコード進行、黄色になると「ちょっと変わったコード進行」など、段階に分けてコードを選ぶことが可能です。
制作スタイルによっては使わないこともありますが、例えばバンドマンやシンガーソングライターが「軽くデモを作る」場合などは強力な助けとなると思います。
CUBASEにはVari Audioという独自のピッチ修正機能があらかじめ内蔵されています。ピッチ修正プラグインはAntares社のAuto-TuneやCelemony社のMelodyneなどが有名ですが、単音のソースであればVari Audioだけでほぼ完璧に修正可能です。内部に完全に統合されているため、相性問題による動作不良等はなく、シームレスな修正が可能です。
使い方は簡単で、波形を選択したあとにエンターキーを押し、画面左側のVari Audioタブから操作をしていくだけ。
また、コードトラックを併用すれば、ハーモニーボイス機能を用いて「全自動で歌メロのハモリを生成する」ことも可能です(歌ではなく、ギター等リード楽器であれば何でも可能です)。やり方は、対象の波形を選択したあとに「Audio」メニュー →「ハーモニーボイスを生成」を選択するだけ。
良くあるのは、「デモとは言えサビだけは歌メロのハモリを入れたい!でも何度も録り直すのは面倒…。」という状況。簡単なチェック音源の作成や、自分自身のアレンジ確認用のためだけに、多重録音でハモリを作っていくのは少し大変です。そういう時はサビだけでもコードトラックを入力し、自動でハーモニー生成を行うという手法が効果的です。声部も変更可能ですし、自動生成されたハモりが気に入らない場合は個別にエディット可能です。
Part 2で紹介したコードトラックと、このVari Audio。そしてPart.1で触れたMIDIインサートによる半自動作曲。「ちょっとした手抜き」が高クオリティで実現可能なところがCUBASEが使い易いポイントです。
製品比較ページはこちら >
https://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/comparison.html
上記公式サイトを別タブで開いておきつつ、こちらを併せて読んで頂くと理解が深まると思います。ここでは、各項目の内容を整理しながら、「この機能はあった方がいい」という特徴的なものを選択して記載していきます。
「録音」について
PRO、ARTIST、ELEMENTSでトラック数が異なるのみで、その他仕様については違いはありません。よほど多くのトラックを同時録音する訳でなければどのバージョンでも問題ありませんが、個人使用の範疇を超えるようなこと(コントロールルームとブースを分けてキューを送るなど)の場合はPRO版が推奨です。
「ミックス」について
複数のフェーダーを一括して操作するVCAフェーダー機能がPRO版のみとなります。また、オートメーションを書く際に便利なバージンテリトリー機能もPRO版のみとなりますので、細かいエディットを行う場合はPRO版推奨です。また、ミックスを行う際にほぼ必須な新機能「Mix Console履歴」はELEMENTS版にはないため、ミックスをスムーズに行う場合は最低でもARTIST版以上が推奨です。
「作曲」について
ARTIST版、PRO版ともにほぼ同一となります。CUBASEだけで譜面の出力まで行う場合は、PRO版推奨となります。
「プラグイン」及び「主なエフェクト」項目について
上のバージョンほど純粋に数が多くなります。ELEMENTS版はHALion以外の音源がなく、またHALionのプリセット数も少ないため、自由度は高くありません。ARTIST、PRO版はほぼ同一となりますが、新たに追加されたFrequency 8-band EQなどはPRO版のみの機能となります。
「編集」について
先述のVari Audio機能は、PRO版のみとなります。オーディオのピッチ修正やハーモニー生成を行う場合は、必ずPRO版を購入して下さい。また、オーディオの編集についてはこれ以外にもPRO版とARTIST版に大きな開きがあります。自分でボーカルを録る方、ギターを録る方などは、可能な限りPRO版を推奨します。
「ワークフロー」について
基本的な操作はどのバージョンも変わりありませんが、ELEMENTS版のみ書き出しに大幅な制限があることに注意して下さい。また、遠方の方とリモートでレコーディング出来る「VST Connect SE 4」はPRO版のみのため、そちらの機能を使う場合はPRO版推奨となります。
Steinberg CUBASE PRO ¥61,560-
Steinberg CUBASE PRO アカデミック版 ¥41,040-
Steinberg CUBASE ARTIST ¥34,560-
Steinberg CUBASE ARTIST アカデミック版 ¥19,440-
Steinberg CUBASE ELEMENTS ¥12,960-
Steinberg CUBASE ELEMENTS アカデミック版 ¥7,560-
- 2017.03.21 Tuesday
- 主要DAWを極める!Steinberg/CUBASE編