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書いた記事数:3277 最後に更新した日:2021/09/03

AIRAシリーズを触ってきた!

宮地楽器から電車で1分、徒歩10分。今回は岩本町にあるRoland東京オフィスに行って参りました。

ここではもはや説明不要かと思いますが、株式会社Rolandは日本の誇る一大楽器メーカーで、本社や開発拠点は静岡にあります。東京では営業部やサポートなどを担当しているようです。

 

今回は2014年に登場以来「制作」「演奏」の2つを軸として持つ革新的なシンセサイザー群として話題になったAIRAシリーズを紹介頂きました。AIRAシリーズはいくつかの製品の入れ替わりの後、現在8機種がラインナップされています。

 

 

今回ご対応頂いたのは、営業担当の小粥さん。元々はサポート部門にいたため、豊富な知識をお持ちです。セミナールームに関連商品をずらりと並べて頂き、実に6時間余りの時間熱く語って頂きました。製品数が多いので駆け足にはなりますが、頑張って全製品を紹介しようと思います!

 

AIRAシリーズのコンセプトは?

AIRAシリーズが掲げているのは、「制作」「演奏」両方に完全にマッチした製品であること。ハードウェアならではのサウンドや、ノブの操作にリアルタイム追従するサウンドを実現するために、以下3つのコンセプトを掲げています。

 

1.プラグアウト

往年の名機など様々なシンセサイザーのプログラムをハードシンセ本体にインストールして、持ち運んでしまおうというコンセプトです。ソフトウェア音源などはよくプラグインと呼称しておりますが、その逆の考え方と言えるでしょう。

後ほどご説明する「SYSTEM-1」、「SYSTEM-8」という鍵盤付きのシンセサイザーに搭載された機能で、「PLUGOUT」ボタンを押せば本体が全く別のシンセサイザーに変身するという機能です。SYSTEM-1の音色とSH-101の音色を使い分ける!という話ではなく、全く別物のシンセを本体にインストールする形です。

 

2.ACB(Analog Circuit Behavior)

Rolandお得意のデジタル楽器の再現技術です。Rolandが持つシンセサイザーはビンテージ機種も含めて全てオリジナル回路図が残っているため、それらを忠実にデジタル機器に置き換えて再現し、波形や周波数特性をデータと耳で確認しています。単なるモデリングではなく、パーツひとつひとつの特性を理解し、完全再現を目指して研究を行っているそうです。

 

3.AIRA LINK

AIRAシリーズは、USBを接続するだけで24bit/96kHzのデジタルオーディオ信号/MIDIの送受信が可能です。通常、ハードシンセは台数分だけTSケーブルと電源コンセントを用意するのが基本ですが、AIRAの場合はそれが不要というのがポイントのひとつです。

※VT-3/TB-3はバスパワー給電対応、その他の機種は電源アダプタを接続する必要があります

 

Roland AIRAシリーズを一括レビュー!

というわけで、さっそく実際の商品を見て行きましょう。シンセサイザー/モジュールごとに説明と簡単なインプレッションを書いて行きます。

VT-3

 

一番簡単なVT-3から紹介します。こちらはボイスチェンジャーマシンです。


上部の「ROBOT」ボタンを押すとリアルタイムピッチ平坦化、真ん中の大きめなノブでサウンドを変えて行きます。AUTO PITCHが2種類あるのは、掛かり方が違う(完全にケロケロになるのか、ちょっと人間感を残すのか)というもの。96kHz固定ではあるものの、USBオーディオインターフェイスにもなります。

VT-3はv1.10アップデートで大幅進化していて、USB MIDI対応(実は初期は受けられなかったんです)の他、ローカット対応、ノイズゲート対応と利便性が非常に向上しています。

※余談ですが、昔はBOSSブランドからVT-1というVoiceTransformerが発売されていて、これは女性単身者の留守番電話の録音などにも使われていたとのこと。このように音楽以外の使用用途もあるからか、どのAIRAシリーズよりも売れているそうです。

 

TB-3

 

「音源部分のみ」ACB技術でTB-303の完コピした音源モジュールです。

基本的な使い方は、音色とエフェクトが気に入ったプリセットをセレクトし、そこにパターンを書いていくというもの。

パターン自体をコピーして別のプリセットにペーストが可能なので、後から「音色を変えたい」「エフェクトを変えたい」と思った場合も対応可能です。

 

名機TB-303の音色を似せた音源は数多くありますが、音ではなく回路を再現したTB-3はサウンドもかなり当時に近い(当時、新品のTB-303があった頃は私は生まれていませんでしたが…)とのことでした。実際、ACCENTやSLIDE等シーケンス部分もACBで再現しています。

この機種だけでなく、AIRAシリーズはノブのスキャンスピードが物凄く早いので、DAW上でMIDIを流し込む際もかなりなだらかなオートメーションが可能。そもそもACBは一般的なシンセサイザーと異なりコントローラー部分と音源部分が分かれていないので、極端な話ノブを触った瞬間から1サンプルごとに音が変化しているような仕組みになっています。オーディオ化してDAWに読む場合も当然この恩恵を受けられますが、MIDIで流し込む場合も滑らかに(解像度高く)流し込みが可能です。

 

TR-8

 

このAIRAプロジェクトは、もとは「TR-808をストレスなく現場で使いたい!」という思いから始まったそうです。

"やおや"の愛称で知られる808ですが、現在は30万円程度で取引をされており、気軽に持ち出せるものではありません。それをスタジオで気軽に使えるよう設計されたのが、TR-8なのです。


Roland:

「TR-808を3台持ち寄って試したところ、カウベルなんかは全部ピッチが違うんですよ。ピッチはコンデンサー抜けで変わってしまうんですが、どれがスタンダードなのか分からない。そのアナログな振る舞いを再現するために、808にはなかったTUNEなどの設定を付けています。」

 

これはつまり、オリジナル回路をACBで忠実に再現したとしても、「僕の持っているTR-808と違う!」となってしまう可能性があるということです。研究の末、これらの「個体差」は主にピッチに起因するものと判断され、TUNEが搭載されたということです。また、実機にはなかったREVERBやDELAYも搭載されており、これらエフェクトにもACBの技術が用いられています。

 

ACCENT、REVERB、DELAYなどはステップ単位で設定可能で、例えば3拍目と6拍目にDELAY、4拍目はREVERB+ACCENT…というトリッキーな設定も可能です。また、DELAYはTAPE ECHOのような挙動をするので、DELAY TIMEを変えるとテープらしいピッチの変化も可能です。

※実はこのDELAY、RE-201をモデルにしたそうですが、細部まで完全に再現していないとのことでRE-201のACBとは名乗ってはいないそうです…この辺りからも並々ならぬこだわりが伺えます

 

宮地楽器:

「ちなみに、オンタイムでやるモードもあるんですか?アナログ的な揺れがもたらす得する部分も勿論分かるんですけど、僕みたいなDAW世代は細かく調整したMIDIデータが現場でオンタイムで鳴ってくれないと不安になる事もあって。ACBはアナログ再現なので、最終的な出音が揺れてしまうということですよね?」


Roland:

「実はオンタイムで出力するという、そういうデバッグ・モードもあります。AIRAシリーズではユーザーの意見を汲んで、色々実装することが多いんです。」

 

Rolandはユーザーからの意見を汲み、こうしたデバッグ・モードを実装することも多いとのこと。

もしかするとまだまだ世には出ていない様々な機能が内包されているのかも知れません。

 

 

なお、本機種はEXPANSIONを買えばTR-727などが追加され、これらはキット単位だけでなくBDだけ、SNだけなどインストゥルメント単位で差し替えて自分だけのキットを作成することも可能です。つまり、TR-808キットのスネアだけをTR-727に変えることも出来るということです。

※これも余談ですが、オリジナルのTR-909はアナログとデジタルのハイブリット型で、シンバルやハイハットはデジタル(録音物をPCMで入れているもの)とのことです。しかし、当時の業務用D/Aの精度は高くなく、最終的に潰れたシャーンという独特なサウンドが誕生したそうで、この辺もACBで頑張って再現しているとのこと。

 

MX-1

 

「AIRAのデバイスって細かいものが多いから、パフォーマンスが出来るミキサーがあると良いよね!」というモーズに応えるべく開発されたのが、このMX-1です。端的に言えば「AIRA同士のSync Box+コントローラー」という製品です。先ほど説明した通り、AIRAシリーズはUSBケーブル1本でMIDIとAudioをやり取り出来ます。これらのAIRAシリーズをMX-1に接続しておけば、AIRA LINKで繋いでいるAIRA端末のテンポ情報や再生/停止がSyncするというものです。


見た目はUSBオーディオインターフェイス機能内蔵のデジタルミキサーですが、その実は多機能パフォーマンスコントローラーとも言えるものです。本体にステップシーケンサーとエフェクト、SCATTERが内蔵され、PCを繋げば16in/4outインターフェイスにもなるというもの。16chのうち8chはUSB(AIRA LINK)になりますが、PC上では全chパラ(各トラックプリフェーダー16ch+マスターはポストフェーダーで演奏したもの2ch)の18chが見えています。

 

エフェクト類は、以下の通りとなっています。

オレンジ色に点灯しているチャンネルがBEAT FX、水色に点灯しているチャンネルがMASTER FXのエフェクトを受けるという形です。

 

BEAT FX:FILTER、SIDE CHAIN、SLICERという3種類を、任意のステップだけにエフェクトを挿せる
MASTER FX:全体に掛かるエフェクト(パートを選んでバイパスも可能、操作はMFXで行う)

TIME:エフェクトのパターンセレクト(TIMEと押しながらTEMPOのつまみを触ることで、選択中のエフェクトの種類が変わる)
COMBI:ステップごとに掛けるエフェクターを選択する機能、FILTER→FLANGER→BIT CRUSH→FILTERなど、ステップごとにエフェクトを切り替えて複雑なリズムを構築可能

 

お馴染みのSCATTER機能は中央のツマミで設定を可変することが可能です。また、MASTERINGボタンも、押すだけで音圧が上がりつつ個々のAIRAのクリップ防止に役立ちます。

 

SYSTEM-1

 

AIRAシリーズの中でも最も見慣れた形のシンセサイザー「SYSTEM-1」。

このシンセサイザーの特徴は"サウンドそのもの"。というのも、SYSTEM-1内臓の音源は名機と呼ばれる過去のシンセサイザーを片っ端からACB化(※)し、面白かったものを抽出したものだからです。
※もともとは製品化ではなく、"ACBというテクノロジーがどこまで行けるか"を確かめる目的のものだったそうです

 

宮地楽器:

「かなり時間が掛かりそうな工程ですが、1機種ごとにどの程度時間が掛かったのでしょうか?」

 

Roland:

「ものによりますが、オシレーター1個で半年くらい掛かったりもします。AIRAシリーズについては、2013年7月にRPG COMPANYという社内の会社が出来て、そこで正式にスタートさせたのですが、実際はそれより前に研究がスタートしていました。長い時間を掛けています。」

 

宮地楽器:

「片っ端から再現というのは、元となる回路図を全て所有しているメーカーだからこそ出来る芸当ですね。出音を聴いてみても、確かにこれまでのRolandシンセサイザーのキメラ化といった印象を受けます。このお話を伺ったからかも知れませんが。」

 

Roland:

「僕らのシンセが沢山置いてあるミュージアムがあるのですが、そこにあるシンセサイザーの音源をどんどんACB化してみて、そこで得られた経験を元に作ったと聞いています。そういう意味では、このSYSTEM-1は元となるシンセがないとも言えます。」

 

なお、このSYSTEM-1は実際は4 POLYの音源ですが、「レイヤーして厚い音を作ろう」というコンセプトでSYSTEM-1という型番が決まったそうです。ほとんどのパラメータに直接アクセス出来るので、シンセサイザーの入門にもピッタリの機種です。

 

SYSTEM-8

 

Roland:

「SYSTEM-1の音源は高い評価を頂いたんですが…あれは2オクターブしかなくて、キーボーディスト向けの商品ではなかった。"ちゃんと演奏できるシンセ"も欲しいよねということで、このSYSTEM-8が開発されました。」

 

そんなお題目で登場したSYSTEM-8は、同時発音数が増え、メモリー出来る音色も8音色から16音色になっています(これらを実現するために20倍近いプロセッサーパワーでもって走らせているそうです)。ノブも増えたので、SYSTEM-1ではアクセスし辛かったパラメータも簡単に操作可能になっています。例として、SYSTEM-1ではオシレーターの種類を選ぶ時に「LEGATOを押しながらオシレーターノブを回す」という操作がありますが、SYSTEM-8の場合はVARIATIONというノブを1と2で分けておけば、オシレーターノブを回すだけで完了します。

 

また、面白い機能としてはCONDITION機能があり、これは個体の劣化具合を-127から+127まで変更出来るというもの。デジタルシンセなのに、オシレーターをゼロにしてもフィルターだけでピーピー発振していて、こういったところにもACBのアナログビヘイビアの奥深さが現れていたような気がします。

 

ちなみに、緑色の縁取りがなくなったのは「外側まで緑だと、主張しすぎるから…」とのことでした。

 

SYSTEM-1M

 

モジュラーシンセは、「何から買うか?」を考えるのが楽しくも難しい商品のひとつです。
このSYSTEM-1Mは一通りの機能を備えているので、"オールインワンを一個持っておいて、代替品をどんどん買い足していく"という形で拡張をしていけるところがポイントです。

 

SYSTEM500

 

宮地楽器:

「それにしても、どうしてRolandからアナログのモジュラーシンセが発売されたんでしょうか?」

 

Roland:

「AIRAシリーズを作ったのは、Rolandの中でもマニアックな研究開発部です。AIRAを作っていくうちに、"別のフィルターをかましたい"、"別のOSCを入れたら楽しそう”という想いが出てきてしまった、というのが始まりです。ユーロラックのモジュラーシンセには新たな可能性があるように見えた。とはいえ、アナログのモジュラーをフルラインナップでリリースするには経験が足りなくて。」

 

そんなところに登場したのが、ギターのペダルメーカーとしても有名な「Malekko」でした。あまり例を見ないタッグで開発されたSYSTEM500ですが、特に興味深いのは「日本国内の若いエンジニアも、ACBでビンテージ回路の解析をやっているうちに、気付いたらアナログ回路が読めるようになっていた」というお話。

こうした理由から、現在はアメリカではなく生産台数の確保できる日本工場で生産しています。

 

DJ-808

 

こちらはseratoとのコラボレーション商品で、Rolandのセンサー技術と楽器制作ノウハウを活かしたDJコントローラーです。SERATO DJ専用のコントローラーながら、DJコントローラーの上部にTR-8の音源が搭載され、ステップシーケンサー機能も内包されています。イメージとしては、TR-808の簡易版が搭載されている感じです。
また、VT-3のROBOTモードも本体に搭載されているため、ボイスパフォーマンスやMCにも対応しています。AIRA LINKにも対応しており、TB-3などを繋げてベースラインをいじったりすることも可能。仕込みが大変そうですが、新しいパフォーマンスが出来そうな感じをひしひしと感じます。

 

まとめーこれからも続くAIRAシリーズー

長文をここまで読んで頂いた方、ありがとうございます。

このAIRAシリーズ、発売は2014年と少し前の製品ではありますが、最初にご紹介したVT-3然りその他製品然り、その後のアップデートで見違えるほど使い勝手の向上したモジュールも沢山あります。

 

2017年現在、改めてこのAIRAシリーズを振り返った時に、彼らの持つポテンシャルの高さや独自のコンセプトを全て理解して活用されている方はまだまだ多くない、だからこそ伸びしろがあるといった状況が見えて来ています。これからも開発が続いていくAIRAシリーズ、この機会に見直してみると、必ず新しい発見があるかと思います。宮地楽器神田店店頭にも主要製品を展開しておりますので、少しでもご興味が沸いた方は是非遊びに来て頂けると幸いです。

 

以上、AIRAシリーズについて知る「遊びに行ってみた!Roland編」でした!

 

 

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