さて、コンプレッサーのノウハウの第二回目です。前回紹介した音を視覚的におさらいしようかと思います。
これがあると分かりやすいと思います。
まず、何もかかっていない状態がこちらです。
次にコンプレッサーがかかった状態がこちら!
全体的に波形がまとまりつつ下がってますよね。
次にアタックを遅らせた音源がこちら!
アタックを遅らせるとこんな感じで頭は大きいまま、少し時間が経つとコンプレッションされています。
今回のお題の1つ目はここを掘り下げようかと思います。
「KNEE」(二ー)って?
コンプレッサーの話の中で“ソフトニー”や“ハードニー”って聞いたことありませんか? これってなんでしょう? ニーとは“Knee”と書いて・・・つまり膝のことですね! これとコンプレッサーの関係は、信号がスレッショルドを越えて、コンプレッサーが効き始めるときのタイミングが、いきなり(ハードに)かかりだすか、徐々に(ソフトに)コンプレッサーがかかっていくかを調節するパラメーターです。 この部分を図で表すとたしかに膝のような・・・気がしますね(笑)そういうことで「KNEE(ニー)」なんですよ! プラグインの画面で見てみましょう。
ハードニーは、スレッショルドを越えたとたんにかかりだします。
ソフトニーは、スレッショルド手前くらいから徐々にコンプレッション感をに臭わせてから、効果が濃くなっていきます。
どちらが良いってことはなく、ケースバイケースです!私自身の好みで・・・という前提では、ソフトニーの使いどころは穏やかにかかって欲しいときにいいかなって思います。
ここまでのお話でざっくり説明すると「音量があるトラックで大きな音の部分を抑えて、音の表情はそのままにできるだけ音量差をなくす。」という目的で使うことが多いのですが、「それって誰得?というか、どういった効能が得られるの?」って思いませんか?
音の最大値を抑えたことで最小と最大の音量差が狭くなったということまでは説明しているかと思います。
そうすると、音の最大値部分を抑える前のレベルになるようフェーダーを上げると、それに伴い最小値は元の値よりかなりアップします。
結果的には、そのトラック全体のレベルを上げることができるわけです!
※レベルを上げることが目的ではない場合もあるし、レベルを上げることを奨励しているわけでもありません!あくまでも適切に!
ただ、安定したレベルで聴けた方が良い音ってありますよね?
ベースやドラムなどがそうだと思いますが、こういった楽器にはコンプを積極的に使ってレベルを合わせるようにすると良いと思います。
また、コンプレッサーといっても多くのハードウェア、プラグインが発売されています。
この中には、大きく色づけをするものから、色付けの無いもの、はたまた強烈にかかるものからジェントルなものまで様々なモデルがあります。
次回は、これらをどういったシーンで使っているか紹介しようと思っています!
執筆:福地 智也
コンプレッサー製品取扱一覧
- 2018.03.21 Wednesday
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