「Ableton Live」は名前が示す通り、直感的に感性のままにノンストップ(Live感覚)でトラックを作れます。ノンストップと言うといろいろ語弊があるので、別の言葉に言い換えると「適当に触っている内に予想を遥かに超えた曲が出来ている。」といた感じでしょうか?事務的な作業よりも、思いつきでいじっているうちに狙っても作れないモノが、ちゃんとしたクォリティーで作れるおもちゃの様な操作感のソフトです。特にオーディオに対するEDIT能力がずば抜けて高く、「録音してから=音を取り込んでから」がこのソフトの本領発揮だと思います。
m-flo☆Taku Takahashi :VERBALとm-floを結成。ソロとしても国内外アーティストのプロデュースやRemix制作も行う。
livetune kz:初音ミクのボーカロイドを使用した楽曲が話題となり、DJもこなす音楽プロデューサー
・DJ/ライブのパフォーマンスでDAWを使いたい方
・何もないところから、リアルタイムに楽曲をつくっていきたい方
・ダンスミュージックを作りたい方
・Live等で同期を使うバンドマン
・劇場や放送局などで音声を担当されている方
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http://miyaji-parec.jugem.jp/?eid=2314
Ableton Liveは、マニュアルを読まなくても、感覚でペタペタと付属のループを貼るだけで楽曲が作れてしまうくらい簡単な操作感が魅力です。大量のループを始めループを始め、ドラムキットやサンプラーもたくさん入っており、ループのテンポを変えたりピッチを変えるたりするのもプラグインを読み込む必要がなく、ほぼクリックのみで行けます。
一般的なDAWは横軸が時間軸でトラック縦に並んでいますが、Ableton Liveには「セッションビュー」と呼ばれる独特の表示方法があります。1つ1つの四角いマス(Liveではクリップといいます)ごとに違うループをアサインすることが出来、縦に向かって時間軸(Liveではシーンといいます)が動くのですが、次のシーンをクリックするまで、ひとつのシーンはループ再生されます。いろいろなトラックを走らせながらフィルターやディレイで展開を作るパフォーマンスに向いてるViewです。Liveの内蔵エフェクトもパフォーマスを意識した独特(変わった?)ものが多いのもこのDAWの特徴です。
※DAWに慣れている方にはおなじみの、トラックが縦に並ぶ「アレンジビュー」の表示ももちろんできます。
なお、RECを押した後に「セッションビュー」で操作した内容は、オートメーション情報もう含め、すべて「アレンジビュー」に書き込まれるので、リアルタイムプレーを作品としてしあげることも可能です。逆に「セッションビュー」で作ったものを「アレンジビュー」に並べていくことも可能なので、「アレンジビュー」でループを幾つか作り、それ「セッションビュー」に持っていきアレンジを詰め、それを「アレンジビュー」に素材として戻して、更に作り込むなど、LiveというDAWそのものが1つの機材=楽器の用になり、アイディアしだいで縦横無尽な製作スタイルが行なえます。
Ableton Liveはコンピューターへの負荷が小さいので、作業中に止まることは滅多にありません。「動作が軽くて止まらないからライブやDJでもよく使う」というお客様が多いのもこのへんが大きい理由かもしれません。トラックを作ったり、エフェクトをかけたり、リアルタイムにこれらを行っても音は鳴り続けます。※他のDAWではトラックを作ると音が一瞬途切れたりすることもあります。つまりリアルタイムにどんどん処理がができるために、クリエイティブな作業に集中できます。
まずは即戦力な機能「キーマップモード」と「MIDIマップモード」を紹介!
Live内のボタンやフェーダーをハードウェアにマッピング機能ですが、どのDAWよりも簡単かつ一瞬で出来るためにハードウェアコントローラーを積極的に使いたくなるのもLiveのポイントかも知れません。
「キーマップモード」は、Liveで操作したい箇所をクリックし、コンピューターのキーボードをおすだけで、その機能をキーボードのボタンにアサインすることがで きます。また「MIDIマップモード」では、同じくLiveで操作したい箇所をクリックしたら、接続しているMIDIコントローラーのパラメーターを触ることでアサインできます。エフェクトのかかり方を変えたり、瞬時にクリップを切り替えるなど、直感的な作業の手助けとなります。
更に専用のコントローラー「Push 2」と組み合わせると、殆どの作業がマウスやキーボードを使うこと無く出来る様になるためによりストレスを感じずに制作に集中できます!
Ableton Liveは最近ではPA現場でも導入が増えています。ライブでの効果音のポン出しをPAさんが行うときに、このLiveが愛用されているそうです。これも 動作が軽いためにライブで音が止まらない/落ちないということと、これらキーマップやMIDIマップで直感的に音を出せるからなのでしょうね。
操作感がシンプルなのはもちろんなのですが、細かく気がきいてるなと思うのが以下の2つのVIEWです。
常に画面の左に「ヘルプView」と言うものを表示することが出来ます。何が表示されているかというと、新機能や用語の説明だったり、初めてLiveを触る方がその通りに進めるだけでLiveの基本的にな使い方が身につく攻略本のようなチュートリアルツアーが表示されております。もちろん全て日本語なのも嬉しいところですね!
もう一つは常に画面の左下に表示できる「インフォView」です。Live内にあるボタンやパラメータの上にマウスポインと持っていくだけで、それの説明を表示してくれる地味ですが、とっても有効な機能ですよね!
文頭でLiveの特徴は「オーディオのEDIT能力がずば抜けて高い!」とあげましたので、少しだけ突っ込んだ内容をご紹介します。
オーディオのファイルをの上で右クリックを押すと、他のDAWでは見かけないメニューが色々出てきます。
例えば、ドラムのループの不ファイルを選んで一番下の「ドラムを新規MIDIトラックに変換」を押すと、以下の様なMIDIデータが出来ます。
オーディファイルのビート(楽器ごとのピッチ)を解析して、それに適応する感じでMIDIファイルを生成してくれるんですね〜!
もちろん、解析するファイルがコード楽器の様な和音なら「ハーモニーを新規MIDIトラックに変換」、歌などモノラルなら「メロディを新規MIDIトラックに変換」と素材に合わした解析を行ってくれます。想像以上に正確なので、使い方次第ではかなりクリエイティブな作業ができそうですね!
MIDIに変換するだけではなく、任意のアタック位置で細切れにして、内蔵のドラムサンプラー「DrumRack」にアサインまでしてくれる機能もあり、こちらはサンプリングを中心行う製作スタイルの方には既にかなりの信頼を得ています。どんなオーディオファイルも一瞬でに自分で弾けるブレイクビーツにしてくれるこの機能は病みつきになりますよ〜!
まだまだ続きます!更にオーディオファイルが持っているグルーブ感のみを抽出し、他のファイルのクオンタイズに使うことが簡単に出きます。
これはどういった時に特に有効かというと、複数のループを重ねるときにメインにするループのグルーブを他のループ等に適用することで、さらに一体感のあるループを作ることが出来ます。このグループの抽出&適用があまりにも簡単なので少しでも気持ちいいビートを感じたら「取り敢えずそのグルーブを抽出だけしとく!」って人も多いのではないでしょうか?時間が有る時にベタ打ちの似たようなビートに適用させて「どこがズレとこう聴こえるのか?」なんてお勉強もお薦めします。
各バージョンの違いについて
Standardを基準にすると以下の感じです。
<Suiteとの主な違い>
・「Analog」、「Operator」を始めとする6種類の追加ソフトシンセ、数十GBの追加PACK(ループとサンプル)等の大量な音源が付属します。
・「Max for Live」という、Liveの中でCycling '74のMaxを使って世界中で作られた音源やエフェクトを追加できます。
・「Amp」「Cabinet」「Corpus」のオーディオエフェクトが追加されます。
<Introとの主な違い>
・オーディオとMIDIトラックが16トラック制限(Standard、Suiteは無制限)
・シーンが8個まで(Standard、Suiteは無制限)
・センドトラックとリターントラックが2個まで(Standard、Suiteは12個)
・オーディオの入出力が各4chまで。
・その他、前述の機能や音源数に大きな差があります。
Official HPの比較表はこちらから!
https://www.ableton.com/ja/live/feature-comparison/
Ableton Live Standard ¥56,800
Ableton Live Suite ¥90,800
Ableton Live Intro ¥13,800
Ableton Push2 ¥88,800
記事担当/澤田
- 2017.03.26 Sunday
- 主要DAWを極める!Ableton/Live編